受賞・成果
石井暁大さんが筆頭著者として企業との共同研究論文を発表しました
MDプログラム2期生の石井暁大さん(日本学術振興会特別研究員)が参加する東北大学の研究グループは、日本電気硝子株式会社と共同研究を行い、高屈折率でかつ透明な酸化チタン(TiO2)薄膜をガラス基板上に低温で作製する技術を開発しました。
TiO2はルチル型と呼ばれる結晶構造になるときに酸化物として最も高い屈折率が観測されますが、従来ルチル型を実現するためには、高価な基板を使用や、高温下(700℃)での成膜が必要であり、高コストや工程の煩雑さなど解決すべき課題がありました。
今回の研究ではTiO2に微量のアルミニウム(Al)を添加することで、安価なガラス基板上に、比較的低温である350℃でのルチル型TiO2薄膜の作製に初めて成功しました。
液晶プロジェクターやカメラなどの光学機器では光の反射や透過をコントロールし、屈折率を高めることが高性能化につながります。 今回の新たなTiO2薄膜の作製技術は、工程の簡素化や低コスト化を図れるとともに、高屈折率を活かし、様々な光学機器への応用が期待されます。
この研究成果は石井さんが筆頭著者となる論文”Low-Temperature Preparation of Rutile-Type TiO2Thin Films for Optical Coatings by Aluminum Doping” として、 Applied Surface Scienceオンライン版に2017年3月30日に掲載されました。
詳しくは東北大学のプレスリリースでご確認ください。