曜日・教室 金曜2限・総合研究棟1階101号室
科目群 マルチディシプリナリ科目
単位数 2
対象コース 自然災害科学コース、安全・安心工学コース
開講学期 2学期
担当教員 奥村誠 教授

授業の目的と概要

 都市や地域の社会経済システム、あるいは交通システムの挙動を明らかにする上で、そのシステムの内部に存在する個々のプレーヤーの行動原理に立ち返ってモデル化した上で、その行動結果を集計してシステムの挙動を明らかにすることが少なくない。その際、行動モデルに含まれるパラメータは、個人またはシステムの観察によって得られたデータを用いて統計的に推計する必要性がある。
 この科目では、個人の行動モデルとして代表的に使用されている2 つのモデル、すなわち Logitモデルに代表される離散選択モデルと、多変量解析手法の拡張に当たる線形構造方程式モデルをとりあげ、モデルの理論的背景、統計学的基礎、計算方法、推定結果の解釈の方法について講述する。その準備として、統計学の基本的考え方に立ち戻って説明する。さらにPC上でR言語を用いた演習を行う。

学習の到達目標

授業内容・方法と進度予定

1.計量行動分析の意義と 3 つの統計学の考え方
2.R言語の導入と記述統計学
3.記述統計量の算出
4.推測統計学と仮説検定
5.統計的仮説検定の演習(分散分析)
6.点推定と区間推定
7.回帰分析の記述統計学的方法
8.回帰分析への推測統計学の応用
9.ロジットモデルの誘導
10.集計ロジットモデルの推定
11.最尤法による非集計ロジットモデルの推定
12.共分散構造モデル入門
13.共分散構造モデルの推定
14.共分散構造モデルの応用
15.課題発表会

成績評価方法

発表、討議内容により評価する。

教科書および参考書

[教科書] 山田剛史、杉澤武俊、村井潤一郎:R によるやさしい統計学、オーム社、 2009
[参考書] 田中豊・脇本和昌:多変量統計解析法、現代数学社、1983
[参考書] 朝野煕彦:入門多変量解析の実際、講談社サイエンティフィック、1996
[参考書] 交通工学研究会:やさしい非集計分析、交通工学研究会、1993
[参考書] 土木計画学研究委員会:非集計行動モデルの理論と実際、土木学会、1995
[参考書] 中村永友:R で学ぶデータサイエンス 2 多次元データ解析法、共立出版、2009

その他