曜日・教室 水曜3限・リーディング教室
科目群 基幹科目
単位数 1
対象コース 全コース
開講学期 2学期
担当教員 松本 行真 准教授

授業の目的と概要

本講義は、①災害、防災・減災、復旧・復興の事例等にふれつつ、②防災や復興といった活動の中心となるコミュニティのとらえ方・考え方についての基礎的な知識を習得する。その上で、③防災・減災コミュニティ構築のための枠組み(フレーム)を学ぶことを目的とする。

学習の到達目標

①災害、防災・減災、復旧・復興にかんする諸議論について、事例を通じて理解する。
②コミュニティの基礎的な概念を理解する。
③防災・減災コミュニティ構築に向けたマネジメントの考え方を理解する。

授業内容・方法と進度予定

本講義は大きく以下の 3つのテーマを展開する。

(1)コミュニティはあった/あるのか
 ローカルナレッジの形成・蓄積により問題解決の場ともなりうるコミュニティの必要性を下記事例等の紹介を通じて示す。

  • コミュニティ
    応急仮設住宅・借り上げ住宅(福島県双葉郡富岡町・楢葉町)
  • ローカルナレッジ
    津波被災地(富岡町・楢葉町、いわき市内沿岸部)

(2)コミュニティをどう捉えるか
 コミュニティとそれに関連する下記キーワードの諸議論を検討しつつ、現状と今後に向けた防災・減災コミュニティ像を探求する。

  • 社会関係資本、地域資源
  • ローカルナレッジ
  • ネットワーク
  • リーダーシップ

(3)防災・減災コミュニティ構築には何が必要か
 どのレベルまで復旧・復興をすればよいのか。そして、どうコミュニティをマネジメントしていけばよいのかを、これまでの講義をふまえて主にディスカッション形式で進め、最終回に報告会を開催する。

成績評価方法

課題レポートと発表により評価する。

教科書および参考書

教科書は使用しない。
参考書は『防災の社会学』(吉原直樹編)、『防災コミュニティの基層』(吉原直樹編著)、『阪神・淡路大震災の社会学』(岩崎信彦ら編)、『防災学原論』(ワイズナー)など。その他は講義中に適宜指示する。

その他

現在進めている調査研究の成果を随時、報告する予定である。受講者も震災に関する日々の報道等をチェックしておくこと。
これまでの調査結果報告書は http://tohokuurban.web.fc2.com/にあるので、受講希望者はあらかじめ読んでおくことが望ましい。